『アナと雪の女王』レット・イット・ゴー Let It Go 分析

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ジャズではなく、ポップスの話題です。


流行っていると聞いて『アナと雪の女王』「レット・イット・ゴー」(Let It Go) をチェックしてみたら、アレンジが恐ろしく良く出来ているので、気になってちょっと分析してみました。

【いきなり落ちサビ】

まず驚いたのが、1サビでピアノの伴奏が高域に移動し、音量が下がる、いわゆる「落ちサビ」になることです。「落ちるのは3サビ」というアレンジに慣れた耳にはとても新鮮でした。

【サビは転調していない】

静かに始まってドラマチックに盛り上がる曲なので、どんな転調を駆使しているのかと思いきや、実は1サビも2サビも3サビもすべて同じキーなんです。サビへ持っていくまでの構成がハンパなく上手いんですね。

【2Aは、1Aよりも明るく聞こえるのに、実は同じコード進行】

Abの平行調、Fmで暗く始まるこの曲ですが、1サビ後の2小節の超短い間奏「Ab→Eb/G」を上手く使って、その後に続く2A「Fm」の印象をメジャーキーの6mに変えているんです。

 

他にも、コードのリズムの食いが綿密に計算されていているだとか、最も声を張り上げる部分「歩きだそう」の「う」でノンダイアトニックなコード(key=Abで、コードB)を上手く重ねているだとか、まだまだ面白い部分はあるのですが、最も大切なのは

  • 映像と歌詞とアレンジが一体化している

ということです。自分の気持ちを抑え続けていた王女が力を解放させるストーリーに、すべてがシンクロしています。これがなければ音楽理論など小手先の技に過ぎません。