つまずいてるアナタは、こんな感じじゃないですか?
- 自分の弾くアドリブが、あんまりジャズっぽくないと悩む →
- オルタード・スケール altered scale なるものを使うとジャズっぽくなると小耳に挟む →
- 教則本やネットで調べて、とりあえずCオルタードだけは弾けるようになる(ド、レb、レ#、ミ、ファ#、ラb、シb、ド) →
- アドリブの中で、スケールをそのまま弾いてみる →
- なんか、期待していたものと違う →
- やっぱり、音楽理論勉強しても意味なくね? と思い、やめる
少なくとも昔の僕はこんな感じでした。ここからさらに、根気と粘り強さのある(=ミュージシャンとしての才能がある)一部の人は、
- よく分からないけど、とりあえず全キーでスケールを弾けるように練習する →
- もうちょっと勉強して『オルタードはリディアンb7と同じ』だの『代理コードで考えれば良い』だの『メロディック・マイナーと実は同じ』だの、知識を詰めこむが、やっぱりピンと来ない
というステップまでくるかと思います。
オルタード・スケールの「ツボ」
ではここで、僕自身がさんざん遠回りした挙げ句に辿り着いた、オルタードを勉強する「ツボ」を披露させて頂こうと思います。自分で言うのもなんですが、悩んでいらっしゃるかたには「もっと早く知っておけばよかった」と言って頂ける知識だと思っています。
前提条件として
- オルタード・スケールは、7thコードの上でだけ使える
ということを必ず覚えてください。超重要です。
Cmaj7上でも、Cm7上でも、使えません!
C7上では使えます。
「オルタード altered」という英語の意味は「変化した」
ミクソリディアンのテンションは「9, 11, 13」です。これらをすべて#, bに変化させると「b9, #9, #11, b13」(=オルタード・スケールのテンション)になります。
「9」→「b9, #9」
「11」→「#11」
「13」→「b13」
はい。ナチュラルだったテンションが、漏れなくすべて、#, bに変化しましたね。これがオルタードという言葉の意味です。
中級以上のかたへ 上記は「オルタード・スケールにおいては5は消えてしまう」という考え方の方針に基づいています。「テンションがすべて#, bに変化する」と簡潔に言い切ることを優先しているわけです。デメリットは、オーギュメント・コード(Caugとか)を上手く説明できないことかな?
そもそも何故オルタード・スケールを使うの?
僕は、ブルーノートなんかと同じ、「哀愁を出す」ためのものだと考えています。オルタードを使うとジャズっぽくなると言われる所以はこれかと。
例えばFメジャーキーの曲のツー・ファイヴにおいて「ソラシbドレ」といかずに「ソラシbドレb」といくと、上がりきらない、ゾワゾワした感じになると思います。このあたりブルーノートとそっくりですね。
オススメはメジャーキーのツー・ファイヴでの使用です。マイナーキーでももちろん、オルタードを使いまくっていいのですが、普通の音が多くなってしまい、地味です。
全部の音を使わなくてもよい!
key=FメジャーのコードC7上で
「レb」(番号で言うと「b9」というテンション)
を使ってみましょう。さっきもちょっと書いたフレーズですが。実はこれだけでもオルタードの雰囲気は出ています。
中級以上のかたは「その音だけじゃハーモニック・マイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウとか、コンディミの可能性もあるじゃん!」と言われるかもしれませんが、まさにここが本稿のポイントで、たくさんの音を無理して使う(ひどい場合には、まんまスケールを上昇してしまう)という初心者の陥りがちな罠に引っかからないためのアイディアを提示させてもらっているわけです。
「レb=b9」だけでは物足りない人は、「レ#=#9」も加え、この2音をワンセットで使ってみましょう。これ、ビバップで頻出する使用法で、激オススメです。
普段の僕のレッスンではさらに色々と使い方を教えさせて頂いていますが、とりあえずこのへんで。
【まとめ】
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- 「オルタード」はミクソリディアンのすべてのテンションを#, bに「変化」させる、という意味
- スケール上のすべての音を使おうとするからダサくなる。「b9, #9」だけしか使わないところから始めるのがオススメ
本コラムの有料楽譜付きバージョンを note にて公開しました。価格は100円です。
オルタード・スケール全キーの楽譜、具体的なフレーズ例の楽譜も見られます。