「スタンダード集」とは、ジャズのスタンダードナンバーが沢山載っている曲集のことです。
どの本を買ったらいいのか迷われるかたも多いと思うのですが……。以下、詳しく説明します。
いきなりの結論ですが、ジャムセッション対策のために「黒本」を買いましょう!
シリーズ化されて1と2が出ています。まずは1を買いましょう。
【注意】inBb、もしくはinEbと書いてあるものは他の楽器用なので買ってはいけません(inBbは主にトランペットとテナーサックス用、inEbは主にアルトサックス用)。
【追加情報】新しく、1のハンディ版が出ました! 持ち運びやすさ優先ならこちらがオススメ。
初めてジャズに触れるかたは驚かれるかもしれませんが、ジャズの楽譜は、本によって、メロディーもコードも違うんです。しかも、どれが正解でどれが間違っているとか、そういう問題ではないケースが多いのです。
でも、CDを聴いて照らし合わせれば正解が分かるじゃん! と思いきや、CDの演奏にも無数のバージョンがあって、アーティストAの演奏では8小節目はこうなっているし、アーティストBではこうだし、これじゃあラチがあかないと原典のミュージカル映画のバージョンを確認してみるとこれまた全然違ったり、なんてことがしょっちゅうなのです。ホント面倒くさいんです……。
では、どうやってジャムセッションが成り立っているのかというと
- 共通のスタンダード集をみんなが使う
という方法が採られているわけなんですね。いまは黒本が共通本です。
ちょっと上級者になると
- 色んなスタンダード集の楽譜を比較し、納得のいく楽譜を自分用に作る
- 定番となっているCDがある場合(例えば”If I Were A Bell”であれば Relaxin With the Miles Davis Quintet (Reis) )、それを耳コピして調整する
- いくつかのスタンダード集のコード進行を覚えておき、いざジャムセッションの現場では、回りの音を聴いて瞬時に判断し、みんなに合わせる
なんてことをします。
一昔前のジャムセッションでの共通本だった「青本」
曲によっては、黒本よりも単純なコードが載っていて、初心者にはやさしかったりしますが……。でもまあ時代の趨勢的に黒本を買ったほうが良いでしょう。
スマホアプリ iReal pro も定番
- キーが簡単に変えられる
- マイナスワン機能がある
のがウリです。ただし著作権逃れのためにメロディーが書いていないのが致命的。
余談ですが開発者の名前を見たら僕のバークリー時代の同級生でした。凄いなー。
アメリカでの定番スタンダード集は「Real Bookリアルブック」
スティーブ・スワローのCD” Real Book “のジャケットの元ネタにもなった、超有名本。
実はこれ、著作権をクリアーしていない「裏」本で、普通の本屋には置いていなかったんです。とある楽器屋に行き、店員に頼むと、こっそりとカウンターから出してくれる、そんな本でした。
何年か前、合法バージョンが出版され、Amazonでも買えるようになりました。
これもシリーズ化されています。
亜流ですが、New Real Bookなんてのもアメリカでよく使われていました
笑えるのが、左上隅に「LEGAL」と書いてあること。「本家とは違い、ウチは合法ですよ!」とアピールしているわけですね。
【まとめ】ジャムセッションのために「黒本」を買おう